2つの認識の基礎
●世界と規範と概念
環界である母や世界との関係を反復することで2つの認識が確立していきます。
反復から抽象化される<自己同一性>は、時空間意識の根源となります。抽象性そのものが<時間意識>の、自己への関係性そのものが<空間意識>の根源です。この時空間意識を基礎に<概念>が形成されていきます。反復による冪乗化は強度となります。「ワタシはワタシ」という自己限定に象徴される自己確定していく意識です。
反復から対象化される<自己関係性>は、意識の起点である場所=<いま、ここ>を形成します。この場所の前提には(そこに居る)<身体>があります。これらは認識の基本となる時空間性の生成であり、ここから<規範>が構成されていきます。<規範>は共同性が依拠するフレームとなります。「ワタシのワタシ」という指示決定された意識は自己分離のはじまりです。
規範の初源となるのは<いま、ここ>であり<原生的疎外>の領域ですが、ベクトル変容した<純粋疎外>の領域では知覚から意志や理性まで、<自他不可分>の対象性(あらゆる可能性=時点ゼロ)として存在します。
母との分離、母との関係からの分離は世界の対象化であり、その自己分離と確立が成長です。
最初の環境である母体、
最初の他者である母、
最初の社会である母との関係、
そして最初の物語である母との物語。
そこには、自己にとって<母=世界>という環界からの規範化と、それへの<自己の対応>が確定していく過程があります。
<自己の対応>の基本は認識することであり、対象の概念化です。
対象である<母=世界>との反復される関係から、対象は抽象化されて概念化します。
並行して対象は命名されていきます。
規範化の前提には形態認識があります。<いま、ここ>が場所であり、前提となる身体とともにそれらは空間性です。これらの空間性を識知する形態認識がリアルのはじめにあります。
●規範と概念と言語
言語は心的な<概念>と<規範>が同致して生成します。
規範
外感覚による指示決定の情報が身体化?
概念
指示決定の情報を思念により観念化?
概念は規範によって表出されて、はじめて言語化します。
言語の規範というのは、音韻、韻律、文法などの共同性です。
表現としての言語は表出されないかぎり存在しません。
リアルな世界での統御されたトータルな認識としては、これらは総合されているので峻別されて認識されるものではありません。ただ、あらゆる異常や病的といったものは、これらの微分されたどこかに、その理由を発見できると考えられます。
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